蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
「言っとくけどお前には拒否権ないから。拒否ったらあのコトを部内にバラすよ?」
「・・・・っ」
「もちろんオレの本性を他のヤツに言うのもNG。もし言ったら、身の毛もよだつような目に遭わせてやるから、そのつもりで」
うっすらと笑い、卓海は言う。
・・・その繊細で端整な容貌に刻まれた、性悪な笑み。
これまで見てきた、爽やかさや優美さはまるで感じられない、その魔性の笑顔。
───ナンカ、トンデモナイコトニ、ナッテイル・・・・
・・・これは、悪夢だろうか・・・。
というか悪夢としか思えない。
絢乃はぶるぶる震えながら、呆然と卓海を見上げていた・・・。