蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
卓海の言葉に、絢乃は目を見開いた。
・・・いや、明後日までは物流システムの検証が・・・
絢乃は慌てて首を振った。
「・・・いえっ、あのっ、今は北條さんに頼まれた仕事が・・・っ」
「知るか」
さくっと言った卓海に、絢乃はあんぐりと口を開いた。
・・・もう、言葉が出ない。
パクパクと口を動かす絢乃を、卓海はどこか楽しげな目で見る。
「データベースが得意なお前なら、物流システムなんぞ瞬殺だろう?」
「・・・イヤ、殺すために検証するわけじゃ・・・」
「17時までに第二に来ること。もし一分一秒でも遅れたら、お前の人生観が大きく変わることになるよ?」
・・・ってどんな脅しなのか、それは。
絢乃は唖然と卓海を見た。
既に今日一日で、自分の人生観は大きく変わったような気がする。
絢乃はがっくりと肩を落とし、内心泣きながら口を開いた。
「・・・ハイ・・・」