蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
協調性のカケラも感じられないその言葉に、絢乃はがっくしと肩を落とした。
・・・そう、こいつはこういう奴だ。
脱力した絢乃の肩を、いつのまにか後ろに立っていた春美がポンと叩く。
「ま、お叱りじゃなくて良かったじゃない?」
「・・・そうですね」
「さぁ、そろそろランチに行きましょ? 今日は焼魚定食の日よ~」
春美はウキウキした顔で財布をバッグから取り出した。
ちなみに社食はビルの10階にあり、この会社だけではなく、このビルに入っている他の会社の人も昼食をとりに来る。
絢乃も春美に続き、社食へと向かった。