蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
「・・・なんかドス黒い怨念のこもったため息だね、アヤ?」
「慧兄。・・・私、慧兄が言ったイミがようやく分かったよ・・・」
「え?」
と、目を丸くした慧に。
絢乃は、今日あったことをぽつりぽつりと話し始めた。
───10分後。
話を終え、疲れた様子で俯いた絢乃の横で。
慧ははぁとため息をつき、目元を覆った。
「・・・おれはさ。お前がショック受けるかなと思って、あえて言わなかったんだけど・・・」
「・・・」
「あいつは相手によって、態度を変える。おれは高校の時からあいつを知ってるから、あいつが女嫌いだってのも知ってたけど・・・」
「へっ?」
慧の言葉に、絢乃は目を丸くした。
・・・卓海が、女嫌い?
驚く絢乃に、慧は続けて言う。