蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
・・・これは、罠だ。
明らかに、罠だ。
絢乃はヒィと背筋を仰け反らせ、後ずさろうとした。
しかしそんな絢乃の肩を、卓海がポンと叩く。
───その端整な顔に浮かぶ、爽やかで優美な微笑み。
しかし絢乃にとっては、鬼の魔笑にしか見えないその微笑み。
「遠慮しないで。さあ行くよ?」
「・・・・っ!!?」
卓海は橋本さんには見えない角度で、物凄い力で絢乃の肩を掴む。
そのままずりずりと、絢乃は駐車場の方へと連行されていった・・・・。