蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
卓海は唖然とした顔で絢乃を見る。
絢乃はその針のような視線を感じながら、ぶるぶると肩を震わせた。
「・・・え、お前、キュウリだめなの?」
「・・・ハイ・・・」
と言った絢乃に。
卓海は目を細めて、うっすらと笑った。
・・・弱みを掴んだ、と言わんばかりのその笑顔。
絢乃はヒィィィと背筋を強張らせた。
「へぇ。・・・カタツムリの主食なんぞ食えねぇってか? キュウリを見下してんの、お前?」
「・・・っ・・・」
「全国のキュウリ農家に喧嘩売ってんの? お前、なかなか怖いもの知らずだな」
「そこまで言ってないですっ!」