蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
「・・・」
そして・・・
二人のことを考えようとするとなぜか、卓海の胸に何ともいえない痛みが広がる。
これまでに経験したことのない、引き攣れるような痛み。
この痛みが何なのか、卓海自身にもわからない。
脳裏によぎる、絢乃の瞳。
・・・卓海を見上げた、あの大きな黒い瞳・・・。
「・・・何だってんだ、一体・・・」
卓海はチッと舌打ちし、ぐっとハンドルを握りしめた・・・。