蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
慧は倒れ込んだまま、そのまま静かになった。
・・・しばし後、規則正しい寝息が聞こえ始める。
いつも慧はここに来ると、こうしてすぐに寝入ってしまう。
絢乃はふぅと息をつき、布団に横たわった慧の横顔を見た。
・・・端整で美しい、その顔・・・。
すらりとした均整のとれた長身に、均等に筋肉が付いた腕や胸元。
そして、はだけた胸元から覗く、意外と男らしい鎖骨のライン・・・。
こう見ると大人の色気のようなものを感じるのに、普段あまり感じないのは、やはりあの少年ぽい言動のせいだろうか。
絢乃は慧の体に布団を掛け、天井灯に手を伸ばしてそっと電気を消した。