蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】



「・・・・・・・」


慧の体は、一瞬で反応した。

・・・まずい。

慧は理性を総動員し、そっと自分の体を絢乃の体から離した。

絢乃の体に触れてしまったら、何をするかわからない。

慧は静かに起き上り、音をたてないようにゆっくりと障子を開けた。

そのまま縁側の方へと行き、座り込む。


「・・・っ・・・」


慧は大きなため息をつき、目元を手で覆った。

・・・耐えられない。

朝から何の試練だ、と思いながら慧ははぁと息をついた。


慧は普段、酒は飲まない。

どちらかと言えば強い方だが、好んで飲むわけではない。

けれどここに来たときには、いつも初枝の晩酌に付き合っている。

それはもちろん、初枝が喜ぶからと言うのもあるが、それよりも大きな理由は・・・。


「・・・」


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