蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
『あいつにとって女は、遊びの対象であり侮蔑の対象だ』
慧の言っていた言葉はやはり正しかったらしい。
そしてそんな男に下僕宣言をされた自分は一体どうなるのか。
考えれば考えるほど背筋が寒くなる。
「・・・」
「なに? わざわざ人が褒めてやったのに、その表情?」
卓海は楽しげに言う。
絢乃ははぁと内心でため息をつき、卓海を見上げた。
───わざわざ褒めるって一体何なのか。
聞きたいが、聞くと墓穴を掘りそうなので黙っていた方が良さそうだ。
「まぁいいさ。・・・で? ちゃんと指示通りの物は買えたわけ?」
卓海は紙袋から中身を取り出し、裏を見た。
じっと裏の商品説明に目を通す。
・・・が。
その目がすっと細められた。