蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】



───さらにその翌日。

出社した絢乃は、さっそくデータベースの中身をチェックしてみた。

パソコンを起動し、データベースのソフトを起動する。

・・・と。


「・・・んん?」


絢乃は首を傾げた。

やはりデータが消えている。

絢乃はうーんと唸りながら、サーバに置いてあるバッチプログラムをチェックした。

バッチプログラムは時間が来ると自動で実行されるように設定されており、サーバのデータのバックアップなどは大抵バッチプログラムで行っている。

しかし。


「・・・データを消す設定なんて、やっぱ入ってないよね・・・」


絢乃はプログラムをチェックしながら、他の可能性について考えた。

プログラムで消された形跡がないとなると、人為的に消されているとしか思えない。

誰かが間違えて消してしまっているのだろうか。

しかしこのデータを使っているのは絢乃だけだ。

・・・よくわからない。

絢乃は首を捻りながら、データをコピーするプログラムを再度実行した。



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