蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
春美は呆れたように言う。
ちなみに『第一』というのは第一開発課のことだ。
春美の言葉に、純也はその黒縁眼鏡の奥でクッと笑い、口を開いた。
「イヤですよ。なんであんな、マゾの集団に入らなければならないんですか」
「・・・」
「それなら、ここで先輩たちの面倒を見ていた方がいい」
純也の言葉に、春美と絢乃はあんぐりと口を開けた。
─── 一体何なんだ、コイツは。
と思っている間に、純也はスタスタと部屋を出て行く。
パタン、と音を立てて閉じたドアを、春美と絢乃は呆気にとられた顔で見つめていた・・・。