蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
20:15。
ようやく宴席はお開きになり、絢乃はは~っと肩を下ろした。
これで、幹事の仕事のほとんどは終わった。
あとは、明日の朝食と帰りのバスの点呼だけだ。
───幹事の仕事がここまで大変だとは思ってもみなかった。
と、部屋に戻ろうとした絢乃だったが。
「・・・」
絢乃は卓海に言われた言葉を思い出し、がくりと肩を落とした。
・・・そういえば、卓海に呼ばれていたんだった・・・。
幹事としての仕事と言っていたが、一体何だろう。
なんだか嫌な予感がする。
その予感に追い立てられるように、絢乃は無意識のうちに辺りを見回した。
幹事の仕事と言うからには、他の幹事を連れて行ってもいいハズだ。
それに、卓海も一人で来いとは言ってなかった気がする。
・・・と、その時。
部屋の隅の方に雅人の姿を発見し、絢乃は眉を上げた。