蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
───雅人も、幹事だ。
しかも副幹事だ。
一緒に行ってダメな理由はない。
というか連れて行くのに雅人ほどふさわしい人物はいないだろう。
絢乃は縋るような気持ちで、慌てて雅人の前に駆け寄った。
「北條さん!」
「・・・どうした、秋月?」
絢乃の声に、雅人は驚いたように眉を上げた。
雅人は部屋に戻ろうとしていたようで、部屋の鍵を手にしている。
絢乃は必死の形相で言った。
「あのっ、ちょっと一緒に来ていただきたいところが・・・っ」
「・・・?」
「あっ、そのっ、ヘンな意味じゃなくて! 加納さんが・・・」
「加納が?」