蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
慧はにこにこ笑いながら言う。
・・・というかなぜ、慧がここにいるのか。
と首を傾げた絢乃に、卓海が耳元でこそっと囁く。
「・・・お前が何が好きなのか、一番知ってるのはコイツだろ。だから呼んでおいた」
「は、はあ」
「とりあえず、食え。オレも腹が減った」
卓海は言い、とんと絢乃を慧の方へと押しやり、テーブルの前に胡坐をかいた。
どうやら、卓海は絢乃のために部屋を借り、慰労会?をセッティングしてくれたらしい。
なんだかよくわからないが、食事ができるのは有難い。
絢乃は慧の隣に座り、テーブルの上に置かれた箸に手を伸ばした。