蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
それにしても・・・
やはり皆、それなりに恋愛経験を積んでいるらしい。
それが良い恋愛でも、悪い恋愛でも、人生の経験になる。
・・・自分も、足踏みしている場合ではないのかもしれない・・・。
けれどどうやったら、あのトラウマを乗り越えることができるのだろうか。
絢乃は内心で息をつき、手にしたカシスサワーのグラスをくいと傾けた。
───こうして。
二泊三日の組合旅行は無事に終了した。
幹事の仕事に忙殺された感はあったが、それなりに得たものもあった。
・・・ような気がする。
来年は絶対に幹事はしないぞと思いつつ、絢乃は家への帰途についた。