蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
翌週。
絢乃は紺のスーツに革のビジネスバッグという格好で、池袋のJR中央改札の前に立っていた。
あれから森村課長より参加OKの返事があり、参加者は14:00にここで待ち合わせということになった。
どうやら参加するのは森村課長と経理部の菅沼さん、第二の橋本さん、そして雅人のようだ。
卓海は別件の用事があるらしく、代わりに橋本さんが参加することになったらしい。
「会場は、ここから東口に出てサンシャインの方に少し歩いたところです」
「・・・となると、繁華街の中ですか?」
「いや、繁華街の方ではなく、どちらかというと東池袋の方面ですね」
既に森村課長と橋本さんは到着している。
あとは雅人と菅沼さんだが・・・。
絢乃はきょろきょろと辺りを見回していた。
・・・やはり、池袋は人が多い。
昼過ぎという時間もあってか、ショッピングに来た学生や若い女の子たちの姿が多い。
会社がある田町駅の周辺は、オフィス街だからか、この時間でもサラリーマンの方が多いのだが・・・。
やがて菅沼さんと雅人が到着し、一行はセミナー会場となるビルへと移動した。