蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
───すみません既に昼飯で一つのテーブルに着いてしまいました。
とはとても言えない。
慧と卓海は高校からの知り合いで、今も飲みに行く仲だが、慧は昔から絢乃を極力卓海に近づけさせまいとしている。
理由はよく分からないのだが・・・。
慧は昔から絢乃に対して過保護ではあるが、卓海の件については、それとは違う理由があるような気もしなくもない。
「とにかく。飲み会は却下。そしてあいつには極力近づかないこと。あいつの傍にいたら、お前の脳が腐るよ?」
「・・・」
兄はなんだか春美と同じようなことを言う。
・・・とにかく、ダメというのははっきりした。
絢乃は内心でため息をつき、お茶をずずっとすすった。