蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
「ほー。なるほどね。夜景を見ながら二人で濃密なひと時を過ごしました、ってわけ」
「・・・いや、なんかすごく曲解されてるような気が・・・」
「事実だろうが」
「食事だけです! それに、『課長命令』ですから」
「・・・命令、ねぇ。じゃあオレも、例のカードを切ろうかな」
例のカード、って・・・
『一つだけ言うことを聞く』というやつだろうか。
───ついにその時が来たらしい。
ヒィィと背筋を仰け反らせた絢乃に、ぐいと顔を近づけ、卓海は囁くように言った。
「・・・お前、オレの女になれ」