蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
卓海はくすくす笑いながら言う。
絢乃は唖然とした。
・・・やはりこの男は鬼だ。
というか、男の中では最悪の部類に入るだろう。
もはや人としての形をとっていることすら不思議に思える。
悪気の塊だとでも考えないととてもやってられない。
『とにかく。今週の土曜、宮崎平の駅前に10:00。一秒でも遅れたら即ペナルティだからな』
『・・・』
『返事は?』
『・・・ハイ・・・』
絢乃ははぁぁぁとため息をつき、がくりと肩を落とした・・・。