蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
「あ、あああのっ、ええと・・・っ」
「お前、なかなか起きないから。いろいろ試してみようと思ってね」
「試すってナニを───!!?」
絢乃は思わず絶叫した。
・・・自分が今、一体何をされたのか。
鈍感な自分でも、さすがにそれはわかる。
───キス、された。
絢乃は頭を抱え込んだ。
その頬は真っ赤に染まっている。
・・・そして、それと同時に。
絢乃の心の中に、ふつふつと言いようのない感情が湧き上がってくる。
「・・・あの、加納さん」
「なんだ?」
「私には、そういうのは期待してないって言ってませんでした?」