蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
「・・・じゃあ、3つまでだよ? この店以外にも、まだロールケーキの店はあるんだから。この店で満腹になったら、他の店のロールケーキが食べられなくなるよ?」
「大丈夫だよ。アヤが満腹になったらおれが食べてあげるから」
「いったい何個食べる気でいるのっ!?」
───なんだかもう、突っ込むのも疲れてきた。
絢乃は会場の端の方のテーブルに陣取り、椅子に腰かけた。
慧は生き生きした様子で会場中のロールケーキを物色している。
・・・まあたまには、いいかもしれない。
絢乃は慧の様子を眺めながら、目を細めて少し笑った。