蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
4.鬼殺し?
翌日。
出社した絢乃は、さっそく自席のパソコンを立ち上げた。
メールチェックする絢乃に、向かいに座った春美が声をかける。
「もう大丈夫なの、絢乃?」
「あ、はい。御心配おかけしてすみません」
絢乃は軽く頭を下げ、春美を見た。
春美は少しほっとしたような顔で笑い、絢乃を見る。
「その様子なら大丈夫そうね。・・そういえば昨日、あんたがいない時に加納が来たわよ。あんたに何か用事があったみたいだけど」
「・・・マジですか?」
絢乃はさーっと青ざめた。
・・・出勤早々イヤなことを聞いてしまった。
とメールチェックしていた絢乃の目に、一通のメールが飛び込む。
『今日の昼、社食で座席を確保しておくこと。
念のため書いておくが、オレとお前の2座席分だ。
1分たりとも遅れないこと。』
───早速扱き使う気満々らしい。
『オレの女になれ』は、やはり想像した通り『オレの奴隷になれ』という意味だったらしい。
これが一か月続くと思うとゾッとする。
絢乃はがくりと肩を落とした・・・・。