蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】

4.鬼殺し?




翌日。

出社した絢乃は、さっそく自席のパソコンを立ち上げた。

メールチェックする絢乃に、向かいに座った春美が声をかける。


「もう大丈夫なの、絢乃?」

「あ、はい。御心配おかけしてすみません」


絢乃は軽く頭を下げ、春美を見た。

春美は少しほっとしたような顔で笑い、絢乃を見る。


「その様子なら大丈夫そうね。・・そういえば昨日、あんたがいない時に加納が来たわよ。あんたに何か用事があったみたいだけど」

「・・・マジですか?」


絢乃はさーっと青ざめた。

・・・出勤早々イヤなことを聞いてしまった。

とメールチェックしていた絢乃の目に、一通のメールが飛び込む。


『今日の昼、社食で座席を確保しておくこと。

念のため書いておくが、オレとお前の2座席分だ。

1分たりとも遅れないこと。』


───早速扱き使う気満々らしい。

『オレの女になれ』は、やはり想像した通り『オレの奴隷になれ』という意味だったらしい。

これが一か月続くと思うとゾッとする。

絢乃はがくりと肩を落とした・・・・。

< 388 / 438 >

この作品をシェア

pagetop