蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
7.混乱
<side.春美>
絢乃が去った後。
「・・・・」
非常に気まずい沈黙が、休憩スペースに漂っている。
・・・自分は今、とんでもないものを目撃してしまった。
と凍りついた春美の前で。
雅人は大きなため息をつき、春美を見た。
「・・・驚かせてすまない、杉沢」
その冷静な声に、春美ははっと雅人を見た。
雅人は既にいつもの冷静な顔に戻っている。
何も言えず立ち尽くす春美に、雅人は少し笑って言った。
「・・・説明させてもらっていいか? 時間があれば、だが」