蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】



翌日の7:00。

絢乃はベッドの中で頭を抱え込んでいた。

頭は朦朧とし、こめかみのあたりがガンガンする。


─── 一睡もできなかった。


卓海にキスされ、雅人にキスされ・・・

もう何がなんだかわからない。


卓海にキスされたのは二度目だが、昨日の卓海はいつもと様子がちょっと違った気もする。

慧とのことを言われ自分もついカッとしてしまったが・・・

昨日の卓海は、いつもの卓海ではなかった。

そんな気がする。


そして、雅人は・・・。

恐らく、取り乱していた自分を慰めようとしてくれたのだと思うが・・・・

けれどなぜキスされたのかわからない。

雅人は卓海と違って、遊びでキスするような人間ではない。

それは、さすがの絢乃もわかっている。

しかしそうだとすると、猶更わからない。


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