蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
絢乃の言葉に、卓海はくすりと笑った。
・・・その爽やかで華やかな、余裕の笑み。
しかしどこか・・・何か、引っかかるものを感じる。
内心で首を傾げた絢乃の隣で、座っていた純也がなぜかふっと瞳を陰らせた。
ん? と思う絢乃に、卓海はにこやかな表情で告げる。
「さすがだね絢乃ちゃん。・・・そう、夜間バッチも修正の必要がある。ここは黒杉君に任せることになるかと思うけど・・・」
「・・・」
純也は無言で資料に目を走らせている。
卓海はそれを気にした様子もなく、ホワイトボードにすらすらと書きこんでいく。
「そして会計システムからのデータを受ける部分も、多少構成が変わる。なのでデータベースの構成を少し修正しなければならない」