蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
絢乃は慌てて謝った。
・・・どんな事情があったにしろ、遅れたのは事実だ。
そしてこういう場合は素直に謝ってしまった方がいい。
雅人は椅子を回し、絢乃の方に向き直った。
「まぁいい。・・・早速見せてもらおうか?」
「・・・は、はい」
絢乃は雅人の机の上に置いた資料を慌てて取り上げ、雅人に渡した。
雅人は真剣な目で、資料に目を通していく。
・・・その、鋭い瞳。
絢乃は内心でビクビクしながら雅人の言葉を待っていた。
そして3分後。
「・・・秋月。そこの椅子をこっちに持って来い」
「・・・・ハイ・・・・」
雅人の言葉に、絢乃はがくりと肩を落とした。
何がいけなかったのかわからないが、とにかく資料は軍曹のお気に召さなかったらしい。
・・・エンドレス決定だ。
絢乃は内心でえぐえぐと泣きながら、近くの椅子を引き寄せ、雅人の隣に座った・・・。