蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
絢乃は貿易システムの仕組みを思い出しながら説明した。
サラリーマンはふむと頷き、さらに質問を重ねる。
「NACCSとのEDI連携にも対応しているのかね?」
「はい、対応しております。バッチをタスク設定することで、自動処理が可能となっております」
「データベースは? SQL Serverかね? Oracleかね?」
「基本的にはOracleですが、予算によってはTERA等の他のデータベースの選択も可能です。なお、弊社独自のデータマイニング用のストアドも多数用意してあります」
絢乃の言葉に、サラリーマンは目を丸くした。
驚いたようにまじまじと絢乃を見る。
「・・・君、コンパニオンかと思ったけど、技術者だね? 驚いたよ」
「・・・え・・・」
「もう少し聞いてもいいかね? このデータベースのストアドについて・・・」
サラリーマンは先ほどとは違う視線で、絢乃を見る。
・・・技術者が技術者を見る、その目。