蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
「・・・・」
絢乃はがくりと肩を落とし、目を伏せた。
・・・組織の中では、上長の命令には従わなければならない。
そう、わかってはいても・・・。
絢乃は肩を落としたまま、ゆっくりと自分のパソコンを持ち上げた。
雅人と視線を合わさないまま、軽く頭を下げる。
「わかりました。・・・遅くまですみませんでした。失礼します」
絢乃は言い、ゆっくりと踵を返した。
・・・なんだか、心がひどく重い・・・。
絢乃は脱力したまま、運用課の部屋へと戻っていった。