恋愛温度(番外編も完結しました)
紙袋を差し出すと、

不思議そうな顔して受け取り、

中を確認して


「あっ!」

と声を上げた。


「わざわざこれを?」

「だって特別なものじゃないですか。」

部長はニッっと笑うと、

「ありがとう。 今日という日を忘れていたよ。」

「ダメじゃないですか?」

「相変わらず真面目だな。正義感も強い。」

会社にいる時のイメージとはずいぶん違う、

年配の子供を持つ男性の顔だ。

「部長は、あんなことをするほど、

 私が憎かったんですね?」

「いや、逆なんだ。

 その、


 君が好きだったんだよ。

 年甲斐もなく君に恋してた。」
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