恋愛温度(番外編も完結しました)
「行ってくる。結花大丈夫?」


「うん。いってらっしゃい。」


和司は何も言わない。

何も聞こうともしない。

ただ黙って、

私を連れ帰り、

部屋に置いた。


ただ、部屋の鍵は中からも鍵を使わないと開けられない。

私が逃げていかないように、

作り替えていた。


世に言う監禁というやつ。


和司、これは犯罪だよ。


別にどこに行くつもりもない。


行くところもない。


毎日、毎日、

ぼんやりとソファーに座って、

見るつもりのないTVを見ている。



不自由は感じない。

和司がすべてを準備して行くから。

私がいるか確かめるように、

頻繁に電話をかけて来る。

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