恋愛温度(番外編も完結しました)
昔手紙をくれた和司は、今はどこにもいない。

それでも、私はコイツから離れられない。

作ってる癒し笑顔も、

ぎこちない優しさも、

私だけに見せる、Sの顔も独占欲も、

全部が好きで堪らないのだ。

4年前はこんなふうになるなんて思いもしなかったのに。

「なあ、泊まってけよ。

 終電出ちゃってるだろ。」


「まだ、間に合うよ。大丈夫。

 着替えないと会社行けないから。」


「こんな夜中に結花返すのは心配だし。」


「心配するほどモテてないから平気!」


和司は。はぁっとため息ついて


「飲まなきゃよかったな。着いたらメールな。」


「うん。」

後悔先に立たず、それはこういう時に使う言葉だ。



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