恋愛温度(番外編も完結しました)
広島の名所を二人で歩き、

厳島神社で、パワースポットだとかいって、

絵馬に『夫婦円満』とか気二人の名前を書き入れてはしゃぐ和司。

昨日から感じた違和感は、

私から拭い去ることはできなくて、

何かやっぱり和司は隠してて、

それに怯えているんじゃないかと感じる。

「つまらない?」

和司が怪訝そうに聞いてきた。

「ううん、楽しいよ。でもさ…」

「何?」

「なんかまた隠してる?」

「サプライズ?なんか期待してるの?」

ふふって笑って、

「もちろん、たくさん用意してるよ。

 まだ秘密だけどね?」

「ちがっ…あ、ううん。そう。期待してる。」

「うん♥」

どうしてこんな直ぐ疑っちゃうんだろ。

こんなとこまで来といて、疎遠だった父とも合わせてくれたり、

こんなにあたしのために考えてくれる人を、

色眼鏡でしか見られない私は、最低だ。
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