恋愛温度(番外編も完結しました)
それっきり、

和司は黙ってしまった。

どうして?

レンタカーを借りて、

無言で運転する和司は、ずっと何かを考えているみたいだった。

私はといえば、追求すべきかそうでないか、

やはり思案している。

「ある。」

といった和司は、言うつもりでいるということだ。

私が責め立てて白状させて気まずくする必要はないような気がして、

黙って彼を待つことにした。

シャワーを浴びて着替えると、

入れ替わるように和司が入っていく。

「和司。」

「うん。」

私の問いかけに力なく笑ってバスルームの鍵をかけた。

「はっ!」

大きく息を吐いて、荷解きをして、

ハンガーにいくつか衣類をかけたり、

コスメを取り出し、軽く化粧した。

いつまでもバスルームから出てこない和司が心配になり声をかける、

シャワーの音でいる気配はするのに一向に

返事がない。

「和司!!和司!!どうしたの?」

すれ違った時の和司の顔を思いだし急に不安になった。

和司?

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