恋愛温度(番外編も完結しました)
髪に遠慮がちに触れる手で

目が覚めた。

「…ん、和司?」

「うん。」

「良かった。目を覚まさないかと思った。」

「ごめん、心配かけた。」

「心配したよ?どうしてこんなこと…

 ううん、私のせいだよね、

 和司を追い詰めたのは私だね?」

「いや…俺の命を賭けてみた。

 賭けてたんだ、

 生きてたら、すべてを話そうって。

 例えお前をなくすことになっても…」

「賭けって?馬鹿なこと!」

「死んでもいいって思った。

お前が手に入るなら。

手に入らないなら死んでもいいとも思った。」

「な、どっちにしろ死ぬってこと?」

「例えだよ。」

「私は?私の気持ちは?」

「本当のこと知ったら、お前は俺から離れるさ。」


 




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