恋愛温度(番外編も完結しました)
俺の母、

戸籍上の母は病んでいたんだ、

名家の嫁として嫁ぎ5年、

子供に恵まれないことを周りから

色々言われ仕方なく行った産婦人科で、

不妊を宣告された。

しかも、この先出来る可能性のないことも。

女性にとって耐え難い現実に

精神のバランスを崩していた。

そんな母のために父が選んだことそれが催眠療法だった。


父は秘密で外で女を抱き子供を作った。

その女が俺の産みの母で、腹の子が俺だ。

女は金のために父と寝て、子供を孕んだ。

そしてひっそりとほんのひと握りの人間にしか知らせずに

子供を産んだ。

十月十日、愛してもいない男の子供を育て産んだ。



ただ一つ誤算だったとしたら、

その生まれるまでの時間に腹の子に

愛着を持ってしまったこと。





そして、誰にも渡したくないと思ってしまったこと。

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