恋愛温度(番外編も完結しました)
父と母は中学からの同級生で、

恋愛結婚だった。


高校の時、一度子供が出来て堕ろしたらしい。

昔のことだから、

処置の仕方もいい加減だったのかもしれない。

それが原因で母は不妊になってしまった。

来る日も来る日も嘆き、

生きることに絶望していっという。



そんな、母を父は愛していた。

母を楽にしてやりたかったのだろう。


だから大掛かりな嘘をついた。

母を愛するがゆえの嘘



他の女に子供を産ませ、

母の子として育てる事に決めたのだ。

父は大学病院で精神科の研究をしている親友の力を借り、

母に自分の子を妊娠したと思わせることに成功したのだ。


心を病んで通院していた母に

軽い暗示をかけて、

想像妊娠させるくらい造作のないことだった。
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