恋愛温度(番外編も完結しました)
宿命の糸
6.宿命の糸
「和司があの時の男の子?」
「そうだよ。」
私が後ろを振り返ろうとしたのを、
和司は押し戻した。
「君の家族をバラバラにしてしまった元凶だよ。」
あの時私は2歳だった。
記憶などまるで残ってはいない。
ただ、私の性格を形成するのに
この事故は大きな影を落とした。
この事故のが原因で母は弟を流産した。
たとえ早産だとしても育つ月齢だった。
あの事故さえなければ、無事生まれるはずだった。
女の人は出産すると喪失感というのに襲われるらしいが、
本当に無くしてしまった母は
普通のそれの何倍も激しい喪失感に襲われた。
私はその母の横でそんな母を見つめて育った。
「和司があの時の男の子?」
「そうだよ。」
私が後ろを振り返ろうとしたのを、
和司は押し戻した。
「君の家族をバラバラにしてしまった元凶だよ。」
あの時私は2歳だった。
記憶などまるで残ってはいない。
ただ、私の性格を形成するのに
この事故は大きな影を落とした。
この事故のが原因で母は弟を流産した。
たとえ早産だとしても育つ月齢だった。
あの事故さえなければ、無事生まれるはずだった。
女の人は出産すると喪失感というのに襲われるらしいが、
本当に無くしてしまった母は
普通のそれの何倍も激しい喪失感に襲われた。
私はその母の横でそんな母を見つめて育った。