恋愛温度(番外編も完結しました)
家族に期待しない父

家族を見ない母

家族の愛を知らない娘

崩壊していた家族関係はいつからだったのかわからない。

私の人に対する姿勢は、この過程で養われた。


「君たち家族のことを知ってから、

 家には図書館に行くと理由をつけては

 5つ先の駅まで電車に乗って見に行った。

 何ができるわけでもないが、

 俺のせいで変わってしまった家族の中で

 君がどう育つのか心配でたまらなかった。

 中学生の俺は見守るしかなかったが。

 幸せでいて欲しいと思ってた。」


「そんな前からあたしを知って?」


「ああ、初めて見たときは小6だったと思う。

 ほとんどストーカーだった。

 買い物や塾に行く時は後をつけたりもした。


 でも、お前の母親に見つかってできなくなった。」








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