恋愛温度(番外編も完結しました)
「ママが?」

「声かけられて、

 道に迷ったことにしたから、

 顔見られちゃったから、

 もう君の周りをうろつけなくなった。」


「そう、

 ママは多分あの頃も私のことなんて見てなかったから、

 たとえ、和司がストーカーだったとしても

 気になんてしなかったわよ。」


「そうかな。聞いたことあるの?

 君はあの頃だって割と愛されてたよ。

 近すぎてわからないこともあるんだよ?」


「和司に分かるの?」


「だって、俺は見てたから君の家族を。」


和司はふっとため息をついてから、

私を後ろから抱きしめた。


「気になってしょうがなかったんだ

 笑わない結花。

 君の笑顔が見たくて、

 たぶん、

 君が俺の初恋だ。」









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