恋愛温度(番外編も完結しました)
和司から聞かされる話は驚くことばかりだった。

詰まりあの大学の夏休みに出会ったのが初めてだと思っていたけれど

それより以前から和司は私を知っていたってことだ。


「私を見てたって、ずっと?」

「うん。ずっと。それは張り付いていたわけじゃないけれど、

 君がどこで何をしているか大雑把に把握できるように、

 小遣い全部使って、調査会社に依頼していた」

「嘘!そんなことって。」

「うん、いい迷惑だろ。でも、不安だったんだ

 いつでも君を感じていたかった。

 君という存在に依存してたんだ、あの頃の僕は。

 今考えると、

 あの事件を共有している君を知っていることが、

 俺という存在を肯定してくれている

 ような気がしてたのかもしれない。」


「なんだか、気分いいものじゃないわ。」


「だろうね。だから言いたくなかったし、知って欲しくなかった。

 でも、聞いてくれるんだろ、俺の全部。」


「そう…言ったわ。」


「まだ知りたい?もっと先も?」


「うん。話してくれるなら…」
< 238 / 311 >

この作品をシェア

pagetop