恋愛温度(番外編も完結しました)
「ううん…ごめん…」


和司は、ニッと笑って


「ごめん、エレベーターも動かない。階段で行くよ。」


私の手をギュッと握るからあわてて引っ込めた。


「足元、暗くて危ないから。」


そう言って手を差し出して、、

さみしそうに笑った。


「あ、うん。ありがとう。」


私は、彼の手のひらにそっと手を預けた。

自己嫌悪になる。

自分から会いに来たくせにこんなに警戒して、

相手にこんな顔させるんなら

会いたいなんて言うべきじゃないのに…

馬鹿な私。大馬鹿だ。
 

< 273 / 311 >

この作品をシェア

pagetop