恋愛温度(番外編も完結しました)
「ごめん!大切なものなのに、

 こんなふうにしちゃったの。

 ごめんなさい!

 文字が滲んで読み取れなくなって、

 しわくちゃだったのをアイロンで伸ばしたけど、

 でも、やっぱ、人に出せるものじゃないから…」


「?ど、どうしたのこれ?」


「だって、和司こんな大事なもの、一人で決めて、

 一人で作って、

 どんな気持ちで書いたのかって思ったら、

 切なくって…ほんとごめん、

 せっかく和司が頑張ったのに

 こんなふうに台無しにした。

 ごめん!

 ほんとにごめんなさい!」


恥ずかしい。

こんなあたし呆れてるよね?


「なあ、だから?

 だから出さなかったの?

 理由はそれだけ?

 それが理由?」


「う…うん…ほんとにごめんなさい。

 書き直してとか言えなくて…」


「なんだ…ちぇ…俺、もっと自分のいいように勘違いしてた…」


「え?」


「結花は俺と別れたくなくて、出さずに待ってたのかって、

 だから、お前の店に電話して…

 バカみてぇ…

 結花は書き直して欲しいんだ?

 俺と別れたいんだ?」



「わ…」








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