恋愛温度(番外編も完結しました)
がっかりする俺に宝田さんは、


「一度日本に帰ってはっきりさせたらいいじゃないですか、

 僕としても、ぜひそうしてもらいたいな、


 中途半端でいられるとアプローチしにくいですから、

 恋敵に塩を贈るつもりはないですよ?

 あなたにとって悪い結果であることを祈ってますがね?」


「それは…」


「怖いんですか?」


「まあ、怖くはないって言ったら嘘になります。

 でも、

 今まで最悪の事態思ってたんですから

 かすかに光が差したって感じもします。

 ああ、

 そう思うと俄然やる気が出ました。

 とりあえず、

 今の俺は見せるわけには行かないんで、

 胸を張って会えるように、しないとですが、

 感謝しますよ宝田さん。」


宝田さんが苦笑しながら、


「僕は待ってはあげませんよ?」


「待っていただけると嬉しいですね?

 期待はしません。

 結花はいい女でしょう?」



二人はそれぞれ彼女を想い笑った。

ったく、どこまで男を惑わすやつなんだ。

しかも本人無自覚。

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