恋愛温度(番外編も完結しました)
「達也。」

本からスッと視線を上げた達也は、

私の姿を見つけると、

フッと優しい顔をした。


こんな顔してくれたことなんてあったっけ?


「結花。また会えると思わなかった。

 この間はごめん。

 俺どうかしてたよ。

 危うく犯罪者になるところだった。」


私は黙って首を振り、

彼を見つめた。


「俺、あの時、自分がスゲーひどいことしたって、

 今頃気づいちゃって、

 気がついたらお前のマンションの前にいたんだ。」


「4年前のこと?」


「うん。」



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