もう一度…愛すよ…


幸春は本当に美和を愛していた。


でも、美和は自分を見ていないとわかっている。きっと忘れることのできない相手がいるんだろうと…なんとなく気づいている。


それがどこの誰なのか…別に誰でもいい。

その男と会うこともなければ、もう自分の妻なのだから。

美和は何処へも行かない。
ずっとこの城にいる。

死ぬまでずっと…
永遠に、幸春のもの…


美和の過去なんて別に聞かない。
今の美和が、ずっと側にいてくれればいい。


今の美和が好きだから…
愛しているから…


だから、いつか自分だけを見てくれると信じて…


美和を愛する…
それしか幸春にはできないから。


< 12 / 18 >

この作品をシェア

pagetop