もう一度…愛すよ…
美和の笑顔を見たいから。
美和といろんな物を見たいから。
美和と一緒に居たいから…
咲とは、しばらく一緒に夜も過ごしていない。
咲といるよりも、美和との時間を過ごしたい。
なぜもっと早く美和に出会えなかったのか。
咲の嫉妬からのイジメを耐えながら過ごす美和をなんとかしたい。
でも全ては自分の責任。
咲との結婚は、父親からの政略結婚。
家を護る為のただのバカらしい結び目的。
「僕って…無力だ…」
考え事をしていた幸春は、思わず口にしてしまった言葉だった。
「どう、されたんですか?」
いつも美和の為に無邪気に笑う幸春からは、珍しく悲しい顔をしていた。
「いや、独り言だよ」
無理な笑顔を美和に作って見せた。