もう一度…愛すよ…


「幸春様、お美和様とはいかがですか?」


この城へ美和を連れてきた『蒼』

幸春は密かに蒼を、おババと呼んでいる。

父親の次に嫌いな存在。

女なのに、いろんな権限があり機に食わない。

でも、蒼が見つけたから、美和に出会えた。それだけは感謝している。


「どうって普通だが…」

「普通ってなんですか?夜を一緒に過ごしていて、何故子供ができないのです」


鋭い目つきで幸春に訴える。


「まさか幸春様…お気にならないのですか?」

「いや、そうではなく…」


気に入らないわけがない。

美和が受け入れたくない以上、何も手が出せないんだから。


あんな美しく、愛してる女を悲しませたくない。



< 17 / 18 >

この作品をシェア

pagetop