もう一度…愛すよ…
「幸春様、お美和様とはいかがですか?」
この城へ美和を連れてきた『蒼』
幸春は密かに蒼を、おババと呼んでいる。
父親の次に嫌いな存在。
女なのに、いろんな権限があり機に食わない。
でも、蒼が見つけたから、美和に出会えた。それだけは感謝している。
「どうって普通だが…」
「普通ってなんですか?夜を一緒に過ごしていて、何故子供ができないのです」
鋭い目つきで幸春に訴える。
「まさか幸春様…お気にならないのですか?」
「いや、そうではなく…」
気に入らないわけがない。
美和が受け入れたくない以上、何も手が出せないんだから。
あんな美しく、愛してる女を悲しませたくない。