もう一度…愛すよ…


時代は江戸

城の中に閉じ込められた彼女は、殿の2番目の妻として迎え入れられた。
ここへ来て数年が経つ。


着慣れない重くて美しい着物は彼女は大嫌いだった。

殿が頻繁に用意してくれる着物は全く気に入らない。

大きな部屋で眠る彼女を見張るように廊下には人がいる。

全く落ち着かない。

2年も経つというのに、この環境に不満があり何一つ楽しみもない。

ただ、唯一の幸せの時間は、ごくたまに招かれる宴の席にあの彼がくる事だった。

1番目の妻、正室はこの美しい彼女が気に食わない。

隙さえあればイジメを繰り返す。

何度も死を味わった。

そのたびに助ける彼女のお付き、『のえ』は彼女にとってのたった一人の友人だった。



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