夏の日差しと狼のいろ。
二日前までは、
荷物運びの馬車の後ろに
三人で腰かけさせてもらい、
ゆらゆら揺れていたが
今はすでにゴンドラに乗っていた。
オールを漕ぐ、ゴンドラ仕事の
おじさんによると、
もうすぐ町に着くらしい。
「アルちゃん暑くないの?」
ふと気になり、聞く。
アルは本当に暑くなさそうに
疲れた様子もなかったからだ。
暑くないのかな…
アルはツンとした様子で答えた。
「私、寒さには弱いけど、
暑さには強いんです」
アルはそれだけ言うと、
ぼーっと水を眺めていた。
ウルーは暑いのは苦手なのか
すでに疲れたように見える。
見た目からすれば
ウルーは冬って感じがするし…
やがてツキも疲れて
へたりと寝転んだ。